春の養生と鍼灸
- マリ タザワ
- 4月1日
- 読了時間: 2分

東洋医学に「養生」という考え方があります。「養生」とは、生命を養うことであり、健康の増進を図ることです。病気にかかる前のいわゆる未病の段階で防ぐことや治療がより効果を発揮するためには、普段から「養生」を心がけることが大切とされています。
「養生」というと貝原益軒の「養生訓」が有名です。この本、益軒が83歳で書いたもので、健康に関する指南書です。江戸時代の人の平均寿命が40歳を下回っていた時代に益軒は85歳まで寝たきりになることなく生涯を全うしたそうです。
「養生」は“食う・寝る”で、バランスの取れた食事と良質な睡眠が基本となります。特に“食う”では旬の物を食べることが大切とされています。
春は入学・入社など年度の変わり目で、環境の変化が大きくストレスが溜まります。東洋医学で言うところの「気」が滞りやすくなります。春は「五臓」のうちの「肝」に関係し、この「肝」は「怒」の感情を支配するため、ストレスなどで肝が失調するとイライラして怒りやすくなったり、目の不調や筋肉のこわばりなどに影響が出てきます。
春が旬の食べ物は「肝」の働きを改善させ、気血の巡りを良くするものが多いそうです。野菜では、竹の子、菜の花、春菊、春キャベツなど。魚では鰆(さわら)やアサリなどです。

“養生めし”を食べたいと思い川越に行ってきました。メインは旬の野菜と魚(肉)のせいろ蒸しに小鉢はその人の体調で選択できます。私は疲労回復や気力回復によいとされる新じゃがとスナップえんどうのたまごサラダ、血行促進とデトックス効果がある菜の花のおひたしを頂きました。春の香りを身体と心で感じることができました。

食後は、お桜見がてらヨモギ(春が旬でありお灸の原料)を摘みたいと思い土手に向かいましたが桜も5分咲きで真冬のような寒さと小雨だったため断念し、お抹茶とお菓子(花筏:はないかだ)を頂くことでお花見気分を堪能しました。
はりもぐ堂鍼灸院 田澤真理
Comments